今回は11月27日に代々木第一体育館で開催された乃木坂46の3・4期生ライブの模様をご紹介します。3・4期生という若手メンバーだけによる初めてのライブで、グループの今後を占う意味で大いに注目していました。4期生の活躍が目立つライブで、遠藤さくらの存在感と久保史緒里の歌唱力が突き抜けていました。
- 3期生・4期生とは?
- 初日のセットリストを見て胸がときめいた
- グッズ販売は1時間待ちだった
- スタンド席最前列が最大の勝ち組だった
- 遠藤の存在感と久保の歌唱力が突き抜けていた
- まだまだ当分は大丈夫だろうという気になった
3期生・4期生とは?
今回のライブは10月20日の全国握手会におけるミニライブにてサプライズ発表されたもので、1~4期生までいるメンバーの中で3・4期生だけによる初めてのライブです。
乃木坂46の3期生12名がグループに加入したのは2016年9月で、この頃には既に人気アイドルグループとしての地位を確立していたため反響は大きく、オーディションの応募者は48986人で倍率は何と4000倍を超えていました。
それだけに選ばれたメンバーは粒ぞろいで芸能活動経験者や他のグループのオーディション最終選考の常連といったメンバーで満ちており、知名度が今ほど高くない時期に募集された2期生と違って「セミプロ軍団」というような印象を受けた記憶があります。しかしその後3年が経過し、期待通りだったメンバーとそうでないメンバーの差が大きくなっているような気がしています。
一方4期生が加入したのは2018年で、乃木坂46・欅坂46・けやき坂46(当時)が合同で新規メンバー募集を行う「坂道合同オーディション」という試みの中で選出されたもので、応募者総数は129182人でした。
当初は地味なメンバーばかりというイメージがありましたが、様々なメディアで露出が増えてくるにつれて印象が変わり、実は超個性派集団なのではないかと今では思っています。
初日のセットリストを見て胸がときめいた
ここ1年は若月・西野・衛藤・桜井と長年グループを支えてきた中心メンバーの卒業が相次ぎ、結成以来7年間右肩上がりを続けてきた勢いもさすがに衰えを見せてきたように感じられます。人気メンバーが抜けた穴は新戦力の台頭で埋めるしかなく、そういった意味で若手メンバーによる今回のライブには注目するものがありました。
26日と27日の2日間で1万枚ずつというチケットに対し、各日10万の応募があって倍率は10倍だったといいます。幸いなことに2日目である27日のチケットが当たりました。
初日・2日目と内容はそんなに変わらないでしょうから、初日のセットリストを調べればライブの内容はおおよそわかります。「M19.私のために 誰かのために(久保史緒里・中村麗乃・遠藤さくら・賀喜遥香)」とあるのを見て胸がときめきました。
「私のために 誰かのために」は乃木坂46の楽曲の中でも代表的なバラード曲です。オリジナルメンバーは白石・高山・衛藤・桜井・川村という屈指の「歌うま選抜」で、これを久保がアンダーライブで歌った映像を見てたまげたことがあります。
これを聴けるならもうそれだけで十分で、こうなったら2日目にセットリストが変更にならないことを祈るしかありません。
グッズ販売は1時間待ちだった
ライブといえばまず記念グッズを買わなければなりません。初日は最大で2時間待ちとなり、売り切れとなったものもあるようなので、確実に入手するためにはやはり早めに現地入りする必要があります。
到着したのは昼過ぎでした。
恒例のメンバーの名を記した幟の他、今回は顔写真入りの幟も並んでいます。
向かって右がグッズ販売、左が生写真販売の列です。
行列は角を曲がって体育館の横まで伸びていました。
ちょうど1時間待ちでした。
生写真販売所周辺は今回も巨大な生写真交換会場となっていました。
4時過ぎに戻ってくると会場前の様子が一変しています。
今回も禁止事項をでかでかと記したいかめしい注意書きが掲げられていました。
入場前には手荷物検査と金属探知機によるセキュリティーチェックが行われます。
またチケットには購入者と同行者の名前が明記されており、身分証明書との照合が実施されます。チケットの倍率が10倍であったというニュースに対し「どうせ転売屋が買い占めたんだろう」という書き込みを多く見ましたが、乃木坂のライブに関する限り転売は無理です。
私はアリーナ席であったので体育館脇の搬入口のような場所から会場入りしました。
ここから先は撮影禁止です。
スタンド席最前列が最大の勝ち組だった
今回のアリーナ席の座席表で、私の席はIブロックの後ろから2列目・左から3列目でした。センターステージの他にバックステージがあり、花道はないもののアリーナの周囲を囲むように外周ステージが設けられています。
後方のアリーナ席ではセンターステージがあまりよく見えず(前の人の頭が邪魔)、どうしてもモニターが頼りになります。今回のライブの最大の勝ち組は目の前をメンバーが何度も通るスタンド席最前列の人ではないでしょうか。
遠藤の存在感と久保の歌唱力が突き抜けていた
アンダーライブでも感じたことですが、特定のメンバーにばかり集中するのではなく多くのメンバーに光が当たるよう工夫された演出だったと思います。
3期生は山下・久保・梅澤が奮闘していましたが、全体としては遠藤、賀喜、筒井、田村、清宮、柴田といった4期生の方が印象が強く残っています。
3期生・4期生のクイズ対決の場面では明らかに4期生に対する声援と拍手の方が大きく、MCで「皆さんすぐ新しい方に行っちゃう」と山下がぼやいて笑いをとっていましたが、4期生はそれだけの力があったということでしょう。
特に遠藤の存在感は抜群で、場内のどこにいても「あれが遠藤だ」と見分けられるような独特な雰囲気がありました。
選抜常連組では若月・衛藤・桜井、アンダーでは伊藤かりん・能條といった歌唱力のあるメンバーが相次いで卒業してしまい、この点がグループの懸念事項となっていましたが、4期生は幸いなことに大半が「歌える」メンバーであるようです。4期生全員がピアノ伴奏だけで歌った「羽の記憶」は背筋がぞくぞくしてくるほど見事な歌声で、今後期待したいと思います。
そして「私のために、誰かのために」のあの独特なイントロが流れてきて場内の興奮も最高潮になりましたが、久保の歌唱力が突き抜けていて独壇場となり、事前の予想とは少し違ったものとなりました。賀喜・遠藤・中村は皆声量があって相当歌えるのではないかと思いますが、満場が聴き入る中で極度に緊張している様子がありありとしており、若干声が上ずっていたように思います。
最後に梅澤の涙の決意表明でライブは終了しました。
会場の出口付近で別のアイドルグループのメンバーが自分たちのライブのチラシを配っており、彼女たちの努力が報われることを祈ります。
まだまだ当分は大丈夫だろうという気になった
2011年8月に結成して2012年2月にデビューした乃木坂46は間もなくデビュー8周年で、これはAKB48にあてはめてみると2013年から2014年にかけての時期が該当します。この頃は選抜総選挙で指原莉乃と渡辺麻友が競い合った時代で、大島優子の卒業や初の国立競技場ライブが話題になったまさに絶頂期でした。御存じの通りAKB48はこれ以降凋落の一途をたどることになるのですが、私はその最大の原因は人材の枯渇だと思っています。
大所帯のAKBは常にオーディションを開催しているイメージがあったのですが、詳しく調べてみると2016年の16期生が最後のようで、乃木坂の4期生と同じようなタイミングで加入したのは2013年に加入した15期生ということになります。(このほかにドラフト生というのもあるようですが、ややこしくなるので省略。姉妹グループやチーム8についても同様。)
この15・16期生の名前を見て感じたのは「とにかく弱い」ということです。既に乃木坂の勢いが加速していてAKBに人材が集まりにくくなったという事情があったのかもしれませんが、いずれにせよ人気メンバーが抜けて新戦力が育たなければグループは必ず弱体化します。
そういった点からも、デビュー8周年を迎えようとするタイミングで4期生という新らしい強力な戦力が加入したことは重要です。一時の勢いがなくなったことで「オワコン」だなどど書き立てられることの多くなった乃木坂46ですが、まだまだ当分の間は大丈夫だろうという気になった今回のライブでした。