乃木坂46の全国ツアー東京公演が開催され初日の8月29日に参加しました。3年ぶりの神宮球場ライブは皆が待ち望んだお祭りそのものでした。
- 3年ぶりに開催された神宮球場ライブ
- チケットは全て即日完売
- グッズの前日販売は3時間待ちだった
- ライブ当日の「聖地」の様子
- 巨大パネルに長蛇の列ができていた
- 入場時のチェックが簡素化された
- ステージの見え方
- 大きなヤマ場が2つあった
- 腕がちぎれそうになったテレビ中継
- みんなが待ち望んでいたお祭りだった
3年ぶりに開催された神宮球場ライブ
乃木坂46が全国の主要都市を巡る恒例の「真夏の全国ツアー」が今年も開催され、大阪(7月19・20日)広島(7月23・24日)福岡(7月30・31日)北海道(8月11・12日)宮城(8月20・21日)愛知(8月24日・25日)の6公演を終えていよいよファイナルの東京公演を残すのみとなりました。今年の東京公演は3年ぶりに「聖地」神宮球場を会場として開催されます。
2013年より全国ツアーを開始した乃木坂46はその翌年より東京公演の会場として神宮球場を使用しており、「神宮」は今やグループの歴史そのものとなっています。2020年はコロナでツアーが中止、2021年は東京オリンピックの関係で神宮が使用できなかったため、今年は3年ぶりの聖地でのライブです。
2000年のTHEALFEE以降、神宮球場を会場としてライブを開催したアーチストは他にいません。そのため「神宮球場=乃木坂46」というイメージが出来上がっており、球場もこの関係を大切にしているようです。
「乃木坂46が3年ぶりに神宮球場に帰ってきます。」として、球場の公式Twitterでこれまでのライブ写真と共に30日前から毎日カウントダウンを行っています。
チケットは全て即日完売
まだコロナ禍となる前、乃木坂46のライブを見に行くようになった私がまず驚いたのがステージの後ろまで客席がびっしりと埋まっていたことです。見切れ席(ステージの一部が見えない)・ステバ席(ステージの真裏で音と雰囲気を楽しむ席。一応モニターはあるらしい。)というものがあるというのは知識としては知っていましたが、実際に見てみると訳の分からない何とも不思議な光景でした。
しかし「ソーシャルディスタンス」が叫ばれ、イベントに何かと制限がかかるようになって以降、こういう光景も見ることがなくなっています。
5月に開催された「10TH YEAR BIRTHDAY LIVE」の際には既に各種の制限も撤廃されていましたが、日産スタジアムはさすがにでかすぎました。2日間で14万人を動員して大いに話題になったもののステバ席までは販売されておらず、ステージの裏まで紫に染まるということはありませんでした。
ライブにおける動員数はグループの勢いをそのまま反映します。「神宮で当日券が出るようになったら本当にやばい」という声を以前聞いたことがありますが、3年前から中心メンバーがほぼ入れ替わったこともあり、果たして今回どうなるのでしょうか。
場内が空席だらけというのも興ざめですが、倍率が上がり過ぎて私がチケットを取れないというのも困ります。
しかしふたを開けてみると私自身は初日のチケットが当たり、その一方で一般席に加えて見切れ席やステバ席も即日完売という理想的な結果となりました。どうやら神宮ではあの懐かしい光景を再び見ることが出来そうです。
グッズの前日販売は3時間待ちだった
チケットが当たったら次はグッズの購入ですが、チケットの当選通知が届いたのが7月28日の夕方で、グッズの事前販売の締め切りが28日の23時。翌日にグッズのことを思い出した時には既に終了してしまっているではないですか。腹をくくって当日の物販に並ぶ覚悟を決めたのですが、今年は何と前日販売がありました。
これまでのライブでは若干の例外はあるもののほぼ一貫して山崎怜奈のマフラータオルを購入してきましたが、卒業してしまったため代わりのメンバーを決めなければなりません。
選抜入り以外のほぼ全てを叶え、どんどんビックになっていった山崎を応援するのは実に楽しかっただけに、新しい推しにも同様のことを期待したいものです。誰のタオルを購入するか散々迷い、最終的に決めたのはほんの数日前です。
前日販売は28日(日)の14時開始ということだったので、13時15分に列の最後尾に加わりました。
絵画館と軟式野球場の間の広場をグッズ購入者の列が埋め尽くしています。
メンバーの姿がプリントされた幟の間を列が抜けていきます。
行列が真ん中あたりまで進むと噂の巨大パネルが見えてきました。
ファンから贈られた祝花が行列の横に展示されています。
隣の新国立競技場でこの日は矢沢永吉コンサートが開催されており、YAZAWAグッズに身を固めた強面の男たち・女たちが我々の列の横をぞろぞろと抜けていきます。
世代や雰囲気は全然違いますが、彼らもまた誰かのオタクであるというのは共通していたようです。面白がって乃木坂の祝花の前で写真を撮ったりしていました。
時刻は15時をまわり、行列はどうにか絵画館のすぐ近くまで来ました。しかしまだまだ先は長そうです。
16時10分頃、ようやく最終段階までたどり着きました。ほぼ3時間並んでいたことになります。
今回私が選んだのは矢久保美緒でした。
ライブ当日の「聖地」の様子
乃木坂46にはことあるごとにファンが集結する「聖地」と呼ばれる場所がいくつかあり、幸いなことに周辺住民や関係者とは良好な関係を築けているようです。某アイドルグループのファンがライブ時に近隣のガストやドン・キホーテの駐車場に大挙して無断駐車したことがニュース等で大きく取り上げられるような問題になりましたが、乃木坂46ではこのような問題が発生しないことを願います。
乃木坂駅
乃木坂駅はメンバーの卒業や誕生日といったタイミングでファンの有志が広告を貼り出す場となっています。
この日は遠藤さくらファン有志によるものの他、弓木奈於の選抜メンバー入りを祝うもの、奥田いろはの誕生日を祝うものが貼られていました。
乃木神社
この日は少し時間が早かったせいか拝殿前に行列ができるというほどではありませんでしたが、やはりいつもとは雰囲気が違っていました。
乃木坂46の神宮球場ライブに今年はついに乃木神社(乃木會舘)が参入してきました。
木の香りがプンプンしている升はかき氷を食べ終わった後に持ち帰ることができるようビニール袋もついています。
乃木坂ラーメンまる彦
乃木坂46ファンが何かにつけて集結するような場所であり、特に首都圏でライブが開催される際に熱心なファンはここでラーメンを食べてから会場入りします。
神宮球場ライブということになればとんでもない行列ができるため、今年から整理券制が導入されました。そのため神宮球場ライブ当日とは思えないようになっています。
この日はカレーラーメンの「マナツ」と白米を注文しました。
巨大パネルに長蛇の列ができていた
昼過ぎに会場入りすると絵画館前のスペースが大変なことになっていました。ここに写っているほとんどの人が生写真の交換をしています。
今回の全国ツアーで最大の話題になっていた巨大パネルとメンバーの等身大パネルには撮影のために長蛇の列ができていました。
この7人が現在の七福神ということなのでしょうが、私が乃木坂に関心を持ち始めた頃と比べて完全に入れ替わっています。
あまりに幅が広かったので正面からは撮れませんでした。
初披露された際にその曲名が話題になった5期生曲ですが、ついにバンドエイドのJohson&Johson社が食いついてくるまでになっています。
絵画館前から神宮球場に移動してきました。この光景を見るといよいよ来たぞという気になります。
祝花の筆頭は今回もバナナマン。次いでDJ KOO、MAX、鈴木拓とテレビの共演者が続いています。余程いい花を使用しているのか、この一角だけやたらにいい香りが漂っていました。
初日はTBSのCDTVライブ!ライブ!の中継が入ります。
入場時のチェックが簡素化された
乃木坂46のライブと言えば「〇〇禁止!」といういかめしい注意書きがこれでもかというくらいに掲示されているのが常でしたが、今年はそれが全く見当たりません。
目を皿のようにして探してやっと見つけたのがこちらで、今回は新型コロナウィルス接触確認アプリ(COCOA)のチェックはありませんでした。
入場列に並んだのは15時半頃で、上部にスタンドがせり出した円形のやたら古さの目立つ建築物ということで、武道館でも横浜アリーナでも東京ドームでも日産スタジアムでもなく、自分がまさに神宮球場の列に並んでいるんだということが実感されました。
検温中です。
金属探知機によるチェックと手荷物検査を行っています。
チケットと身分証明書の照合をしています。チケットの半券は自分でちぎって箱に入れるというのが続いていましたが、今回は会場スタッフがそこまでやってくれました。
人気№1商品という「じんから」(600円)とソフトドリンク(700円)のセットは「神宮球場限定グルメ」と銘打たれており、そのソフトドリンクの値段がファンの間で話題となっていました。それでも場内のほとんどの人がこのカップを手にしていたように感じられるくらいバカ売れしており、ひょっとすると来年は900円くらいで登場するかもしれません。
カップをつぶさないように持ち帰るのはいつも大変なのですが、こうしてまた記念品が増えました。
ステージの見え方
私の今回の席は3塁側11番入口38段110段で、3塁側のステージ上のメンバーはぎりぎりで見分けられましたが、それ以外はモニターを見なければ誰が誰だかわかりませんでした。それでもステージ自体が全く見えなかった日産スタジアム、ステージ上のメンバーが小指の先くらいにしか見えなかった東京ドームに比べると段違いに見やすかったと思います。
スタンドと屋根と空しか見えなかった日産スタジアムと違って周囲のビルや施設も見渡せ、開放感抜群で吹き抜ける風の心地よさは最高でした。
乃木坂46の野外ライブといえば雨というのが付き物となっており、私も前回の神宮球場、日産スタジアムと両方とも雨に降られました。
チケットが発券されてライブがいよいよ現実味を帯びてくると気になるのはやはり天気です。気象情報によれば南海上にある台風が前線を刺激することにより8月最終週は雨模様になるということでしたが、どうやら月曜だけは晴れそうな様子です。
前日に神宮球場限定で調べた情報でも雨の心配など微塵もない様子で、それでも「乃木坂46の野外ライブだから」ということで雨がっぱと40ℓのごみ袋(雨天時に荷物をくるむためのもの)を荷物に入れて出かけました。
実際はライブ開演と同時に雨が降り出し、あくまでもお守り代わりとして入れておいたものが大活躍したのですから乃木坂と雨の関係は相当なものがありそうです。初日はそれほどでもありませんでしたが、二日目はとんでもない降り方だったようです。
大きなヤマ場が2つあった
ライブはいきなり30thシングルの「好きというのはロックだぜ」で始まり、イントロと共に周囲がみんなタオルを回し始めました。「『僕は僕を好きになる』のアンサーソングだ」という声を聞いたことがありますが、私には「君の名は希望」に似た世界を表現した曲だと感じられ、「Sing Out!」以来久しぶりの表題曲の良曲だと思っています。
ライブでおなじみの夏曲が続いた後に期別曲のコーナーとなり、5・4期生の次に3期生の「僕が手を叩く方へ」になりましたが、これがライブの最初のヤマ場だったように思います。
現在話題沸騰中の5期生曲と比べてあまり注目されていない曲で、私も「あああの曲ね」という程度の意識で聞いていたのですが、モニター画面の絶妙なカメラワークもあって自然と引き込まれていくものがありました。いつの間にか伴奏が消えて客の手拍子だけで歌った場面ではゾクゾクしてくるような一体感があり、これぞまさに現地で味わうライブの醍醐味ではないかと思っています。
後半のヤマ場は林瑠奈がセンターで歌った「孤独な青空」でしょう。
場内に林が自身のブログを読み上げるVTRが流れ、ふと気が付くといつの間にかセンターステージに立派な井桁が組まれており、その中で炎が燃え盛っているではないですか(井桁自体は燃えていない)。周囲にはベンチが置かれ、数人のメンバーが腰を下ろしています。キャンプファイヤーを使った演出があることは事前に知っていましたが、想像していた以上にちゃんとしたキャンプファイヤーでした。
朗読されたブログは加入が遅れた「新4期生」にとって今回が初の神宮球場ライブであることを記したもので、無茶苦茶に辛かったはずの体験を林らしく明るく笑い飛ばしています。朗読後、ピンク一色になった場内に流れた林の伸びのある歌声は素晴らしく、キャンプファイヤーの炎やブログの印象と相まって心を打つものとなりました。
腕がちぎれそうになったテレビ中継
今回の神宮球場ライブではアンコールの冒頭部分でTBSのCDTVライブ!ライブ!の中継が入り、ライブのオープニングに続いて30thシングル「好きというのはロックだぜ」がフルサイズで披露されました。
記念すべきテレビ初披露ということでメンバーも気合が入っており、「通常よりも盛り上げましょう」ということで様々なサインが示されます。具体的には「CMまたぎの前と後で秋元真夏の号令で大拍手」「モニターの隅に南国の海岸のイラストが表示されたら思い切りタオルをまわす」「海底のイラストが表示されたら紫のサイリウムを振る」というもので、事前にリハーサルまでやりました。
タオルをまわすのは通常はサビの部分だけなのですが、曲が始まっていつまでもヤシの木と花のイラストがモニターから消えません。節目節目が来るたびに場内がどよめく中で1コーラスまるまるタオルをまわし続けることになりました。
2コーラス目は丸々海底のイラストで、最後のサビで再びヤシの木のイラストとなり、最初から最後までモニターのサインが途切れることはありませんでした。明らかにやり過ぎではないかと思いましたが、帰宅してから録画している映像を見るとこれでちょうどいいというレベルだったようです。文字通り腕がちぎれそうでしたが、楽しい思い出となりました。
みんなが待ち望んでいたお祭りだった
前回の神宮球場は私にとってまだ2回目の乃木坂のライブでしたが、その後東京ドームや日産スタジアムなど様々なライブを経験しました。他の会場と比べて神宮球場は明らかに古く、通路は狭く、また階段は段の高さが不揃いで時々ずっこけそうになります。しかしそれだけ歴史と伝統のある建物で、神宮外苑内というその立地もあって格の違いが感じられました。
肉眼でライブを楽しめるギリギリの大きさでそれでいて開放感もあり、風や雨といった自然も感じられる神宮球場は貴重な会場であり、東京ドームでやればいいというものではありません。
選抜曲ばかり次から次へと披露された日産スタジアムのBIRTHDAY LIVEの時と違い、今回はもっと個々のメンバーに光を当てようとした、どちらかというとアンダーライブのような演出でした。選抜以外にも超個性はメンバーを抱え、表題曲よりもカップリング曲やアルバム曲に良曲が多い(私はそう思っている)乃木坂46ではこういう演出の方が楽しめます。
全体的な印象として、みんなが再開を持ち望んだお祭りだったように感じました。
ライブ終了後規制退場の順番が来るのを延々と待ち続け、地下鉄内でスマホを見て初めて掛橋沙耶香がステージから落ちたことを知りました。大事に至らないことを祈ります。