乃木坂46の神宮球場ライブが今年も開催され、初日に参加してきました。台風直撃による中止がほぼ確実視されていましたが奇跡的に回避され、無事開催されました。初めてアリーナ席から観覧した神宮のライブには様々な魅力がありました。
- 「物流の2024年問題」が直撃した全国ツアー
- 今年も「乃木坂の夏」を楽しめる
- ライブ当日の聖地
- 神宮外苑全体がイベント会場に
- 古いからこそ風格がある神宮球場
- アリーナ席から見た光景
- 「プリンセス」がコンセプトのライブ
- 神宮球場ライブの魅力とは
- ファンが入れ替わって気質が変わってきた
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「物流の2024年問題」が直撃した全国ツアー
乃木坂46の真夏の全国ツアー東京公演が今年も「聖地」明治神宮野球場で開催されました。
2011年8月に結成された乃木坂46は2013年から全国ツアーを開始しています。例年なら「全国の主要都市を巡る」という形容詞が必ず付くもので、ちなみに昨年は北海道・大阪・広島・沖縄・愛知・宮城・東京の7ヶ所で全16回の公演を行い、総計25万人を動員しました。
しかし今年は開催地が大幅に集約され、大阪(2公演)・愛知(2公演)・東京(3公演)の3か所で7公演となっています。最近の地方公演は全てアリーナクラスの会場を使用していましたが今年は大阪が京セラドーム・愛知がバンテリンドームとなり、「五年ぶりのドームツアー」と銘打っていました。
トラックドライバーの時間外労働に上限が設けられることで輸送能力が不足し、それによりモノが運べなくなる「物流の2024年問題」はエンタメ業界にも影響すると言われています。運送コストが上昇するため各種イベントにおいて地方公演が減少して大都市圏に集中することは既に予想されていましたが、こんな形で突きつけられるとは思ってもみませんでした。
しかし会場が大きくなったことで公演数が半減しても全体の規模はむしろ大きくなったようで、最終的な動員数は26.5万人となって昨年・一昨年を上回ったようです。
今年も「乃木坂の夏」を楽しめる
神宮球場のライブは毎年8月末か9月初旬に固定されており、「乃木坂の夏」としてひときわ特別感があります。
明治神宮外苑という特別な場所にあり、学生野球の聖地として数多くのスター選手を輩出しただけでなく、ベーブ・ルースやルー・ゲーリックがプレーしたこともあるとんでもない歴史を持つ球場です。そんな場所を乃木坂46は2014年から毎年使い続け、グループの歴史を積み上げてきました。(コロナ禍と東京五輪の影響を受けた2020年と2021年は除く)
スタンドがそれほど高くなく傾斜も緩やかで、それにより風や景色を感じられます。スタンドと屋根と空しか見えなかった日産スタジアムと比べ、解放感という点で歴然とした差がありました。※ここだけ写真は2023年の時のものです。
幸いにも初日のチケットを確保できたので、今年も「乃木坂の夏」を楽しめそうです。4回目の神宮で初めてのアリーナ席で、それもかなり前の方の席であるようです。
平日三日間の開催では昨年までように「全て即日完売」とはいかなかったようで、ステージ真裏の「ステバ席」だけは当日まで「△」でした。
ライブ当日の聖地
日本近海で迷走を続けてきた台風10号がよりによってライブ当日に関東を通過することが必至となり、こうなると少なくとも初日は中止だと覚悟せざるをえません。しかし直前に台風が動きを止めて消滅するという神がかったような事態が発生し、これ以上ないくらいの晴れ晴れとした気持ちで当日の朝を迎えることができました。
乃木坂46にはことあるごとにファンが集結する「聖地」と呼ばれる場所がいくつかあります。一年間で最も大切な神宮球場ライブの当日はどんな様子だったのか、今年も見に行ってみました。
乃木坂駅
東京メトロ千代田線の乃木坂駅はメンバーの卒業や誕生日といったタイミングでファンの有志が広告を貼り出す場となっています。
今回は小川綾と池田瑛紗の初フロント入りを祝うものが目立っていました。以前は写真を撮ろうという人の行列ができていたものですが、今年は特にそういう様子は見られませんでした。
乃木神社
明らかに乃木坂ファンと思われる人の姿が見受けられましたが、拝殿前に行列ができる程ではありませんでした。また、かき氷の販売も今年は行われていません。
絵馬の販売促進策でしょうか?今までに無かった掲示がありました。
乃木坂ラーメンまる彦
乃木坂46ファンが何かにつけて集結するラーメン屋で、首都圏でライブが開催される際は会場入りする前にこちらでラーメンを食べようとするファンで行列ができます。特に神宮球場でのライブの際は数時間待ちという状況となり、一昨年からはついに整理券が導入されるまでになりました。
今年も整理券の準備をしていたようですが、店内が空いていたのでそのまま入れました。
この後は自宅に帰るまでちゃんとした食事はできそうもないため、ここでしっかりと食べておかなければなりません。限定メニューである「マナツ」と白米を注文しました。ラーメンとしてもカレーとしても素晴らしく、焼いたトマトがいい働きをしています。
過去の神宮球場ライブ
神宮外苑全体がイベント会場に
乃木坂46の神宮球場ライブの際は明治神宮外苑全体が一つのイベント会場のようになります。
絵画館前
こちらではグッズや生写真販売が行われていました。
この日の行列は大したことはありませんでしたが、前日のグッズ現地販売会ではここが埋め尽くされていたと思われます。
行列に並びたくなかったので、私は愛知公演あたりのタイミングでネットで購入しました。
こちらは祝花を見る列ではなく、生写真販売所に並ぶ列です。
ヒリヒリしてくるような日差しの中で生写真の交換をしています。
グッズや生写真以外に様々な物が展示されていました。
秩父宮ラグビー場
メンバーの等身大パネルが並べられています。
日刊スポーツ「乃木坂46新聞」のブースです。
36枚目シングル「チートデイ」をこちらで購入すると、特典としてB2サイズのポスターが貰えます。
B2サイズは壁に貼るとかなりの存在感になります。私の自宅寝室の壁がなかなか凄いことになってきました。(ちなみに枕元の棚に歴代の御朱印帳を保管しています。)
「乃木坂工事中」でのヒット祈願で5期生たちが描いた絵はこちらに展示されていました。
リハーサルの音漏れがはっきりと聞こえた球場周辺
いつものことですが、この光景を見ると「今年も神宮に来た!」という気分になります。今年は一度完全に諦めただけに、一層感慨深いものがありました。
今回も祝花の筆頭はバナナマンで、ナインティナイン、オズワルド、ゴスペラーズと続きます。浅香唯と与田祐希の関係がよくわかりません。
神宮球場特有のアーチの根元の部分にメンバーの個人写真が掲げられていました。
球場周辺をブラブラしているとリハーサルの音漏れが意外なほどはっきりと聞こえてくるではないですか。これを目当てに球場まで来るのもありだと思います。
古いからこそ風格がある神宮球場
開場時間である15時半少し前に入場待機列ができていました。
金属探知機によるチェックをしています。その後にチケットを身分証の照合を行い、入場できます。
今回はアリーナ席なのでこちらから入場しました。プロ野球の試合終了後、ヤクルトの選手がここから外に出ていたような記憶があります。ここから先は撮影禁止です。
1926年の建物ですから通路が激狭で正直言って使い勝手は悪いのではないかと思います。
有明アリーナの通路と比較してみてください。しかしだからこそ感じる風格のようなものがあります。
昨年までは唐揚げの店しか開いていなかったのですが、今年は売店が全部開いています。
今年も「乃木坂46コラボソフトドリンク」と「じんから」を購入しました。
じんからは今年はヘルメット型の容器に入っています。
これでカップは4個目になりました。
アリーナ席から見た光景
私が座った「アリーナ席C16ブロック63番」というのは最前列から数えて28列目、センターステージから数えて16列目という席でした。
昨年の写真ではありますが赤丸をつけたあたりになります。これだけ近くてもライブが始まって観客が総立ちになると前の人の頭で正面のステージは見えず、結局モニターを頼りにするしかありません。しかしセンターステージと花道の見え方は素晴らしく、肉眼で全てのメンバーをしっかりと識別できました。またこの場所はすぐ横をトロッコがガンガン通るため、その度ごとにメンバーを真下から見上げることができます。
すり鉢の底のような場所にあるアリーナ席ではありますが、国立競技場や代々木のドコモタワー、伊藤忠商事のビルなども見え、解放感はスタンド席と変わりません。
昨今の異常気象は乃木坂のライブにも影響し、開演前の影ナレでゲリラ雷雨に関する注意をするようになりました。スタンド席は避雷針があって安全なようですがアリーナ席はそうではなく、落雷の恐れが生じた場合は国立競技場か秩父宮ラグビー場に避難するそうです。
「プリンセス」がコンセプトのライブ
今回のライブは「プリンセス」がコンセプトとなっており、そのためセットは城でオープニングの衣装もプリンセス仕様でした。
メンバー一人ひとりに「〇〇なプリンセス」というキャッチコピーが付けられており、冒頭の期別曲3曲の中で一人一人モニターで紹介されます。その後「どの期がもっともプリンセスに相応しいのか」を競い合う「寸劇」(茶番?)が繰り広げられるのですが、この辺りでは「一体何が起こっているんだ?」という状態でした。
この日は最年少の小川綾が「お姉さま方は紫外線の心配だけしていればいいんですわ」と毒を吐けば久保が「そういうことは若い頃から気にしていないとダメなの!」とやり返していましたが、実はこれは大阪公演から続いているシリーズものでした。(名古屋では「帰りの新幹線の中で手羽先を食べてビールを飲んでいればいい」に対して与田が「言われなくてもそのつもり」と返していたらしい。)
アンコール時に小川綾と池田瑛紗の掛け合いで「アンコールの練習」が行われましたが、これも日替わりで中身が違ったようです。(1塁側と3塁側に分かれて全員で叫んだ大音量のコールは表参道まで轟いたそうです。)
こういう演出があるとあらかじめ知っていればもっと楽しめたでしょう。ライブに参加する際にネタバレがあってはつまらないので、セットリストを見るだけで事前の情報収集をあまりやらないのですが、今回ばかりは失敗でした。
神宮球場ライブの魅力とは
屋根のない屋外ライブは音響の点で問題があるでしょうし、羽田空港への飛行経路の変更により最近は神宮球場上空を旅客機がひっきりなしに飛行します。単に音だけなら有明アリーナの方が良かったと思いましたが、そんなに単純に割り切れないのが神宮球場でのライブです。
時間の経過とともに暗さが増し、その分だけステージに集中することができます。また吹き抜ける風が妙に爽やかでした。今回のセットリストでは弦楽四重奏やオーケストラ演奏を伴奏とした楽曲も数多く含まれていましたが、自然の中で聞くと一段と気持ちが高まるものです。
本編の最後に披露される曲の後半に花火が打ち上げられるのが神宮球場ライブ恒例の演出で、今年は「誰かの肩」でした。長らく「君の名は希望」の指定席だったポジションで、ここに表題以外の曲が来るのは異例なのではないでしょうか。
局の後半部分で一瞬音が止まり、一泊置いた間に花火が上がるのですが、このタイミングはリハーサルでもきっちりと確認しているようでした。
ファンが入れ替わって気質が変わってきた
神宮球場のライブは私にとっては年に一度の夏のお祭りのようなもので、家を出てから最後に球場を出るまで毎年ほぼルーティン化した動きをしています。
神社もラーメン屋も混んでいるのが通常でそれにより気持ちが高まるのですが、今回は神宮球場ライブの朝とはとても思えないような状況でした。会場周辺の様子をみていると乃木坂ファンの絶対数が激減したとはまだまだ思えません。しかし結成13年目にもなると初期と比べてファンが大きく入れ替わっていることは十分考えられ、それにより気質が変わったことも十分にありえます。
「乃木神社にお参りし、まる彦でラーメンを食べてから神宮球場に向かう。」というのはもはや古いタイプのファンなのかもしれません。