「オーシャン東九フェリー」を利用して徳島まで18時間20分の旅をしてきました。自動販売機と電子レンジがずらりと並ぶ光景が「フェリー飯」として何度もテレビで取り上げられており、その全メニューと旅の模様をご紹介します。※結構な長文になりました。途中自販機の全商品を書き起こしているので、Contentsを利用して飛んでもいいかもしれません。
- 徳島に行こうと思った
- 勢いで決めてしまった船旅
- 東京港フェリーターミナルの様子
- 個室内の設備
- 出航直後の見せ場「東京ゲートブリッジ」
- 船内を探検する
- 自動販売機全メニュー詳細
- テレビでも紹介された「フェリー飯」
- 氷入りの水割りを飲んで寝る
- 紀伊半島に沿って南下
- 潮岬沖を通過
- ほぼ定刻に到着した
- 時間がかかる旅も面白い
- このブログのイチオシ記事
是非こちらもご覧ください
徳島に行こうと思った
時間的な余裕ができてきたおかげで、最近は寝台特急や新幹線・飛行機等の様々な交通機関を利用した旅を楽しめるようになりました。こうなると次は船ということになります。
横須賀から新門司へ向かう「東京九州フェリー」がなかなか面白そうでいろいろと情報を入手してきましたが、横須賀発21:00で新門司着が翌日の21:00では活動開始できるのが三日目からになります。これでは旅のスケジュールを組むのが困難であるように感じられました。
ということで船の旅はしばらく頭から消えていたのですが、たまたま見たテレビで鳴門のうどんの特集をしていたことで状況が変わります。
四国八十八箇所の出発点である鳴門は歴史のある神社や寺院も多く、また大塚国際美術館には以前から興味を持っていました。ここにうどんが加わったのですから行かない訳にはいきません。

ここで思いついたのが「オーシャン東九フェリー」です。
勢いで決めてしまった船旅
オーシャン東九フェリーは東京~徳島~新門司を結ぶ船便で、下り便の場合は東京を19時に出港して翌日の13:20に徳島港に入港し、さらにその翌朝5時半に新門司港に到着します。
徳島~鳴門は車で30分くらいの距離なので、徳島到着がこの時間ならその日から行動できると思われます。

オーシャン東九フェリーは長時間の旅であるにも関わらず船内にレストランがなく、その代わりに自動販売機のレトルト食品冷凍食品を24時間好きな時間に食べることができることで知られています。船内に自動販売機と電子レンジがずらりと並んだ光景はなかなか壮観で、「フェリー飯」として度々テレビで取り上げられてきました。
どうやら初めての本格的な船旅にうってつけのようで、そうなると自分でも驚くほどの勢いで全ての手配を済ませてしまいました。
東京港フェリーターミナルの様子

オーシャン東九フェリーが出港する有明の東京港フェリーターミナルには東京駅八重洲南口からバスが出ています。

但し本数は少なく、19時出航の便に乗船する際はこの16:50発のバスに乗車するしかないようです。

チケット売り場はフェリーターミナルの2階にあります。


17:30の段階で職員はもう誰もいないようで、チケットの発券は自動券売機で行います。
予約時に通知されていた番号を入力すると、右側のプリンターからチケットが印刷されて出てきました。

建物内にも周辺にも売店やカフェといったものは全くないようで、乗船開始まで3階のロビーでおとなしくしておくしかないようです。イヤホンを持ってきたのは大正解でした。

徒歩の客に乗船案内があったのが18:35で、マスクをした職員がチケットのQRコードを読み取っていきます。このQRコードは下船の際にも必要となるため、チケットは無くさないようにしてください。


船につながる長いブリッジ(「ギャングウェイ」と呼ぶらしい)を渡っていよいよ乗船です。

中にいる職員にチケットを提示すると客室のカギを渡してくれます。(徳島港入港直前に部屋まで回収しに来る)
個室内の設備

オーシャン東九フェリーは「びざん」「しまんと」「どうご」「りつりん」の4隻体制で運航されており、今回乗船したのは「どうご」でした。(4隻とも設備・仕様は全て同じ)私が利用したA9号室は左舷の個室です。

長い廊下の突き当り付近にありました。

1~2名用の個室で、未就学の子供を同伴する場合に限り3名で使用できます。

備え付けのテレビでは地上波は出航してから23時くらいまで、衛星放送は全行程で見ることができました。


冷蔵庫には製氷室まで付いています。

自販機で購入したロックアイスがちょうど入る大きさです。


夜が明けるとオーシャンビューを楽しめますが、窓が汚れているので景色を見る際はその都度展望デッキまで上がっていました。

ちなみにいちばん料金が安い「相部屋」と呼ばれるタイプはこのようになります。大広間のような場所で雑魚寝というのはもはやありえないようです。
「陸地に近い右舷は携帯の電波が届くが、左舷側は全く届かない」と事前に入手した情報にありましたが、実際は下田沖くらいまでは左舷でも電波は届きました。そのためとぎれとぎれになる場面もあったものの、船室内でradikoやYouTube動画を楽しむことができました。
夜が明けてからは電波は左舷では全くつながらなくなります。
出航直後の見せ場「東京ゲートブリッジ」
船室に荷物を置いて一息ついていたらもう出港時刻であり、展望デッキに上がって出港の様子を見ることにします。

音楽が流れたり銅鑼がなったりテープが潮風になびいたりなどということは一切なく、いつの間にか景色が動き出していました。

出航してしばらくは東京の夜景を堪能することができます。東京の夜景の中心はやはり東京タワーとレインボーブリッジだと思いました。
今回の航路の最初の見せ場が東京ゲートブリッジで、船は出航直後にこちらをくぐります。


東京の夜景に気を取られて後ろばかり見ている間に船はかなり進んだようで、ふと前を見ると知らない間に左右から巨大な建築物が近づいてくるではないですか。

巨大な建築物がブリッジを乗り越えて真上に来ようとしています。単純に景色が前から後ろに流れるというのではなく、橋が自分にのしかかってくるような圧を感じました。

橋をくぐってしまえばしばらく展望デッキに用は無く、夜間は閉鎖されてしまいます。
船内を探検する
時間がたっぷりあるのが船の旅の特色で、まだまだ17時間以上残されています。東京ゲートブリッジも見終わったので、船内を探検することにしました。


船の先頭付近にあるフォワードロビーでは前面展望を楽しむことができます。

灯りが漏れると安全運航の妨げとなるため、夜間はカーテンが閉められていました。

リラクゼーションスペースにはリクライニングシートが並んでいます。

こちらの自動販売機では生活雑貨を販売しています。

右舷に男湯、左舷に女湯が設けられており、海を見ながら入浴することができます。脱衣所にはドライヤーと鍵付きロッカーがあり、浴室にはボディーソープとリンスインシャンプーが用意されていました。

トイレは大変に清潔です。

荒天時にもドアがバタついたりしないよう、磁石で固定されていました。

万一船酔いになった場合はこちらに嘔吐してください、



船の後方にあるオーシャンプラザには自販機と電子レンジがずらりと並んでいます。


航海中は間違いなく千円札を大量に消費することになるため、様々なパターンに対応可能な高機能の両替機が備え付けられていました。




それ以外にも様々な設備があり、生活していて発生する大抵のことに対応できるようになっています。
色々な旅のスタイル(記事は下に続きます)
自動販売機全メニュー詳細
船内の自動販売機の全商品を書き起こしました。

スーパードライ500㎜360円・黒生500㎜360円・アサヒクリア500㎜260円・スーパードライ350㎜260円・黒生350㎜260円・アサヒクリア350㎜210円

アイス各種200円

カップヌードル各種250円

①わかめ味噌汁②なす味噌汁③梅味噌汁④豚汁⑤オニオンスープ⑥鳥スープ(ここまで全て170円)⑦みつ豆300円⑧燻製チーズ250円⑨枝豆200円⑪コーンポタージュ250円⑬クラムチャウダー250円⑮肉じゃが350円⑰チーズかまぼこ150円⑲本枯節350円㉑アーモンドチョコ350円㉓ポッキー250円㉕いちごポッキー250円㉗野菜ジュース150円㉙牛乳150円㉛キャラメルナッツ500円㉝焦がしキャラメルナッツ500円㉟さば缶300円㊲いわし缶300円㊴徳島限定エナジードリンク190円㊶うずらの卵380円㊸煮卵350円㊺ごはん300円㊼じゃこ天ごはん300円㊾赤飯250円51徳島ラーメン250円57コーヒー200円59金沢駅前おでん250円

①とりかわチップス250円②めんべいチップス200円③かつおぶしチップス150円④すなぎも炭火焼330円⑤塩かつおスティック250円⑥紅しょうが天250円⑦バームクーヘン180円⑧ミレービスケット250円⑨ミレービスケット瀬戸内レモン150円⑩アップルパイ200円⑪ワッフル180円⑫小倉あんぱん180円⑬北海道クリームパン180円⑭天然酵母パン180円⑮カレーパン180円

①②ちくわ天うどん550円③おにぎり鮭と高菜550円④⑤かきあげそば550円⑥小さな粒のロックアイス300円⑦⑧カップ氷200円⑨ごま香るキンバ600円⑩北海道十勝生どら350円⑪冷凍みかん300円

①ジャンボしゅうまい600円②熱田塩ホルモン800円③旨!味噌ホルモン800円④チャーシューまん500円⑤大粒たこ焼き650円⑥やきとり4本セット1000円⑦やわらかカツサンド550円⑧フライドポテト400円⑨鶏から揚げ500円

①お肉好きのあなたのためのポロネーゼ850円②にんにくとたらこのペペロンチーノ850円③いわしと香味野菜のペペロンチーノ850円④銀座洋食ビーフストロガノフ⑤海老のアメリケースソースグラタン920円⑥糸引きモッツアレラチーズのトマトソース850円⑦しょうが焼きチャーハン650円⑧ライスバーガー牛カルビ450円⑨助六寿司600円

①銀座洋食デミオムライス700円②五目御飯と野菜の黒酢あん750円③スパイシーハンバーグカレー800円④3種野菜とチーズのタコライス700円⑤サムゲタン700円⑥具だくさんビビンバ700円⑦汁なしタンタンメン550円⑧ベーコンとほうれん草のカルボナーラ500円⑨喫茶店風の太麺ナポリタン500円

ソフトドリンク各種 省略

①梅のり天のかっぱえびせん200円②イカフライ150円③十勝ポップコーン300円④ソフトサラミ400円⑤燻製ピスタチオ460円⑥燻製柿の種&ミックスナッツ460円⑦ピュアポテト180円⑧スティックポテト180円⑨鮭皮フライ300円⑩チーたら150円⑪ビーフジャーキー450円⑫ミックスナッツマルゲリータ380円⑬柿の種150円⑭バターピー150円⑮ミックスナッツ400円

レモンサワー350㎜180円・タコハイ350㎜180円・梅酒ソーダ350㎜180円・サントリー生500㎜350円・金麦500㎜260円・角ハイボール350㎜350円・金麦350㎜210円・スパークリングワイン210円

各種調味料(自由に取れます)
マヨネーズ・しょうゆ・ソース・からし・ハバネロ・七味とうがらし・塩

リラクゼーションスペースの生活雑貨
①化粧品セット500円②シャンプー・コンディショナー・ボディーソープ350円
④⑤⑥歯ブラシ・歯磨き・タオル300円⑦カミソリ・シェービングクリーム150円⑧殺菌トローチ700円⑨酔い止めドロップ600円⑩マスク300円⑪耳栓&アイマスク200円⑫プレミアふんわりティッシュ200円⑬⑭スリッパ300円⑮生理用品300円
テレビでも紹介された「フェリー飯」
そろそろ夕食をとることにします。

全てのメニューの中で一番オーソドックスと思われるスパイシーハンバーグカレーを選びました。この時点ではカチンカチンに凍っています。

切込みを入れるためのはさみもぬかりなく用意されていました。

全ての自販機に対して使用する電子レンジが指定されており、ここでは1番のボタンを押します。

所定の時間加熱すると持てないくらい熱くなるため、私は紙皿を下に敷いて運びました。

ビールを飲みながらの夕食なんて滅多にありません。味に関してはこちらに書くようなものではありませんでした。

量的に少し足りない感じがしたので、喫茶店風の太麺ナポリタンも購入しました。

同じくEの電子レンジに入れます。取り出す際に白い部分を持っていても熱いです。

極太麺でコシが凄かったことだけ記憶しています。
テレビで紹介された際にリポーターは「美味い美味い」と絶賛していた記憶がありますが、私にはとてもそうは思えませんでした。東京駅で駅弁を買い込んで乗船するのが賢明ではないかと思います。
氷入りの水割りを飲んで寝る
外を見ると汚れた窓を通しても星空が綺麗なことがわかりましたが、夜間は展望デッキが閉鎖されているので直接見ることは断念しました。それでもテレビも見れるしスマホも使えるため、退屈することは全くありません。しかし夜も更けてきたため寝る準備をすることにします。

こちらではベッドメイクは自分でやらなくてはいけません。まずは2段ベッドの下段をおろします。(もちろん逆でもいいです)

2本のベルトのようなものは何の意味があるかは最後までわかりませんでした。

シーツやら枕やら布団やらをセットして寝る準備は完了です。

後は酒を飲むだけです。船の中で氷を入れた水割りが飲めるとは思いませんでした。
紀伊半島に沿って南下

朝起きると船は紀伊半島に沿って南下していました。

閉鎖が解除された展望デッキはかなり冷えます。洋上での日の出を見たかったのですが、水平線近くに雲がありこれが精一杯でした。

朝食もまた自動販売機です。

レンジで熱々になるまで加熱したカツサンドで済ませました。
このあたりの海域は海上交通の要衝のようで、周囲を見渡すと様々な船が走行しています。

ふと気が付くと沖合を豪華客船が我々と反対方向に進行しています。後で調べてみるとクルーズ船「飛鳥Ⅲ」のようです。

後方に見えていた大型フェリーがどんどん近づいてきました。これは横須賀から新門司に向かう「東京九州フェリー」です。

オーシャン東九フェリーが22.4ノット(約40㎞)なのに対し東京九州フェリーは28.3ノット(約50㎞)です。瞬く間に追い抜かれてしまいました。

この辺りになると陸地がやけに良く見えます。赤い矢印がくしもと大橋、黒い矢印が苗我島ループ橋です。
潮岬沖を通過
船は9時過ぎに潮岬沖を通過し、船内でもその旨の案内が流れます。

その時に目の前に広がる光景で、私はてっきり黒い矢印が潮岬灯台だと思っていました。

しかしこちらは灯台ではなく、潮岬観光タワーなのです。

おまけのように思えた赤い矢印が実は潮岬灯台でした。

中央の30階建ての建築物は南紀白浜椿温泉のリゾートマンション「プレジデント椿」です。

中央の観覧車があるのは南紀白浜空港近くの「オーシャンビューホイールアドベンチャーワールド」です。

遠くの方で点のようだった船が段々と近づいてきました。那覇-鹿児島-博多-大阪-東京を結ぶ琉球海運の貨物船で、和歌山沖で別の方向に姿を消しました。
これだけ乗っていてもまだ3時間以上の行程が残されており、これはもうサンライズ出雲の比じゃありません。浴室に行って紀伊半島を眺めながらの朝湯を楽しみました。
ほぼ定刻に到着した

ここまでは右舷側にしか陸は見えませんでしたが、10:30頃から左舷側にうっすらと四国らしきものが見え始めます。

11:30頃にははっきりと見えるようになりました。

12時頃から右舷方向に淡路島が見え始めました。
そろそろ下船の準備をしなければと部屋に戻った12:35に「まもなく姉妹船「びざん」とすれ違います」というアナウンスがあり、再び展望デッキに戻ることにします。

お互いに汽笛を鳴らしあうといったセレモニー的要素は一切なく、徳島を出港したばかりの「びざん」は東京を目指して姿を消していきました。

右舷に大鳴門橋が見えてくると徳島港はもうすぐで、ほぼ定刻に到着しました。


眉山(びざん)の姿を見ると徳島に来たことが実感されます。
時間がかかる旅も面白い
乗船時間トータル18時間20分というのはサンライズ出雲91号の15時間を超えて私にとっての最長記録です。天候にも恵まれて実に快適な船旅でした。
ひょっとしたら読書しかすることがないかもしれないということで本を一冊買って持ち込んだのですが、結局1ページも読みませんでした。

夜が明けてからはほとんど客室にはおらず、展望デッキにいるか船内各所をうろついていたように思います。
徳島は飛行機なら東京から1時間ちょっとで行ける場所です。そんな場所にこれだけ時間をかけていくというのも面白いものだと思います。
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