今回は乃木坂46の「真夏の全国ツアー2019」東京公演初日の模様をご紹介します。約3時間のライブで全33曲が披露され、乃木坂の層の厚さがもたらす強さを改めて感じさせられました。前から一度行ってみたいと思っていた「聖地」神宮球場のライブで、幸いにもチケットが当たったので参加することができました。
神宮球場は乃木坂46の聖地
神宮球場は乃木坂46が毎年開催している「真夏の全国ツアー」で東京公演の会場として知られており、球場の公式Twitterでも「夏の風物詩」と呟かれるほど定着したイベントとなっています。
2012年にデビューした乃木坂46はその翌年から全国主要都市を巡る全国ツアーを開催しており、2014年の2回目のツアーの千秋楽会場として初めて神宮球場を使用し、今年で6年連続の開催ということになります。グループの原点でもある乃木坂から最も近いという理由で選ばれたといいますが、いい場所を確保したものだと思います。
交通の便の良い都心の一等地にありながら神宮球場がコンサート会場として過去に使用された事例はあまり多くなく、特に2000年にTHEALFEEが使用して以降は14年間全く使用されていませんでした。現在でも他のアーチストが使用した事例はなく(申し込んでも球場側に断られるという話を聞いたことがある)、神宮球場は今や乃木坂46の聖地でありホームグラウンドといえるような場所となっています。
乃木坂46のライブといえば横浜アリーナのアンダーライブを先日経験しましたが、やはり聖地である神宮球場のライブを体験したいものです。幸いにも三日間の東京公演の初日のチケットが当たったので、胸躍らせて参加しました。
先週の全国握手会は仕事の関係で参加できなかったため、イベントに参加するのは久しぶりです。
神宮球場ライブと雨
乃木坂46のライブといえば雨というのが付き物となっています。「真夏の全国ツアー」では神宮球場以外は天候の影響を受けないドーム球場が会場ですが、台風接近となると話は変わってきます。
今年のツアーでは福岡公演初日の7月20日に九州北部に台風5号が接近して長崎県の五島で50年に一度の記録的な大雨が降り、さらに大阪公演二日目の8月15日は超大型の台風10号が西日本を直撃したためついに中止が決定されました。
神宮球場は屋外ですから雨はライブに直接影響します。実際のところ過去の天候をみても
2014 開演前雨→晴れ
2015 初日 雨
2015 二日目 ライブ前半雨
2016 初日 ライブ後半雨
2016 二日目 雨(夜台風通過)
2016 三日目 開演前雨→曇り
2017 初日 開演前雨→晴れ
2017 二日目 晴れ
2018 初日 雨
2018 二日目 晴れ
2018 三日目 晴れ
このように雨の確率が異常に高くなっています。今年は週間天気予報では3日間とも雨マークが全く無かったので安心していたのですが、実際は驚きの結果となりました。
今年もやはり雨が降った 会場周辺の様子
一週間くらい前から神宮球場周辺の週間天気予報をこまめにチェックしていましたが、30日の予報は当初の「終日晴れ」から直前になって変化し、「朝は雨」「昼まで雨」「昼までと夕方以降雨」と最新の情報を入手するたびに悪化して行きました。やはり乃木坂と神宮と雨は切り離せないものなのかもしれません。
まずは物販で記念グッズを入手し、次いで乃木坂の「まる彦」で「マナツ」を食べ、改めて会場入りしようと決めました。乃木坂のイベントでは行列が不可避であり、少しでも負荷を減らすには早く家を出るしかありません。
グッズ販売
今回のライブのグッズ販売の会場は絵画館前です。
私は半蔵門線の青山一丁目駅から向かいましたが、イチョウ並木の奥に何やら異様な光景が見えてきました。
生写真販売の行列は何と総合球技場の周りを半周してイチョウ並木付近まで伸びています。
右が生写真、左がグッズ販売の行列です。
売り場に到着するまで何度も折れ曲がります。
この日は45分で売り場に到着しました。平日の午前中だったのでこれだけで済みましたが、二日目・三日目は大変な行列になったようです。
ちなみに並んでいる人全員に瞬間冷却材が配布されました。
会場には全メンバーの浴衣姿の写真が展示されており、カメラを持ったファンが群がっていました。(全員分を一枚一枚撮っている猛者も意外に多かった)
乃木坂ラーメン「まる彦」
乃木坂ラーメンまる彦はソニーミュージックエンタテインメントのビルがまだ乃木坂にあった頃に衛藤美彩が通っていたラーメン屋で、テレビ番組でもお勧めとして紹介したことから聖地としてファンが集結するような場所になっています。これまで何回も来ていますが、ここでラーメンを食べてから神宮のライブに行くというのを一度やってみたいと思っていました。
初日は平日なのでこの程度でしたが、二日目・三日目は何と1時間半待ちになったそうです。
「真夏の全国ツアー」から命名された「マナツ」と白米です。パンチの効いたカレー味のスープを麺がしっかりと受け止めて見事な味わいになっていました。焼いたトマトも合っていたと思います。
神宮球場周辺
ラーメンを食べ終えて神宮球場に戻ると雨はやんでいました。
球場正面にはメンバー全員の幟と写真が掲示されています。
その光景をバックに写真を撮ろうとしている人が多数いました。
祝い花が二列に並べられており、バナナマンが前列の筆頭、それに次いで吉田沙保里の花が置かれています。
前列がテレビ関係、後列がラジオその他のようで、テレビ関係はNHK・日本テレビ・TBS・フジ・テレ朝・テレビ東京という地デジ以前のチャンネル順となっていました。(この順番はかなり重要なようで、スタッフが念入りにチェックしていました)
横浜アリーナの時と同様に入場にあたっては様々な禁止事項があります。入場の際にはチケットに明記された氏名と身分証の照合をしていました。
開場1時間前の2時半には各入場ゲート前には既に長蛇の列ができていました。
場内で販売されていた乃木坂46スペシャルドリンクと築地銀だこのたこ焼きです。ドリンクはもう無茶苦茶に売れており、ほとんどの人が手に持っていたように思います。
会場の広さに面食らった
私の席は一塁側ダックアウトの上部、中央の通路から3段上で、花道が目と鼻の先にあった横浜アリーナの時と比べるとやはりまるで違うものありました。
メインステージとセンターステージではメンバーは小さめのフィギュアくらいの大きさで、肉眼では到底誰が誰であるか識別できず、バックステージまで来てくれると何とか区別がつくという状況でした。(野球なら背番号で見分けることができますが、アイドルの衣裳には背番号がない。)
一部のメンバーが芦ノ湖の海賊船に似た台車(フロートというらしい)に乗ってフェンス際をまわる際は比較的間近でメンバーの姿を見ることができます。またスタンド席の中ほどにある通路をトロッコでまわるという場面も一度あり、目と鼻の先を通過していった齋藤飛鳥と桜井玲香は肌の綺麗さが際立っていました。
全体的に細かい部分は正面のモニターを見るしかありませんが、小さいと言ってもメンバーを直接見ることができるので幕張全握のミニライブで感じるようなストレスはありません。ただ、アイドルグループのライブを楽しむという点ではこれがギリギリの大きさなのではないかと思います。
比較的倍率の高い双眼鏡を持参していたので最初はそれを覗き込んでいましたが、手ブレが激しくメンバーを識別しようと苦闘していると曲が全く耳に入ってこなくなります。
途中からは双眼鏡はカバンに戻し、会場全体を見るようにしたら思った以上に楽しめました。メンバーが会場いっぱいに散らばったり一か所に集合している様子はなかなか綺麗な光景です。
層が厚いからこそ可能なセットリスト
西野・若月・衛藤の主力3人が一気に抜けた穴はやはり大きくCD売り上げの右肩上がりはついにストップしてしまったようですが、ライブを見る限りグループのパワーはまだまだ衰えていないように感じます。
ミュージアムコーナーのような日替わり企画も含めて約3時間で全33曲というのは欅坂や日向坂、AKBと比べても多いのではないかと思います。
「インフルエンサー」「命は美しい」「何度目の青空か」「シンクロニシティ」と王道の表題曲が続いた後に「滑走路」「日常」とアンダー曲が続いても落差がなく、これは選抜やアンダーを問わずグループ全体の層が厚く、メンバー個々の能力が高いからこそ可能です。
「僕のこと知っている?」に続いて「サイコキネシスの可能性」「ダンケシェーン」、「夜明けまで強がらなくていい」に続いて「オフショアガール」「ロマンティックいか焼き」のようにしっとりとした曲からいきなり弾けた曲に移行したのも刺激的でした。
本来はアンダー曲である「あの日僕は咄嗟に嘘をついた」「ここにいる理由」「不等号」を選抜・アンダーが入り混じった新たなメンバー構成で披露したのは「新たな融合」を印象付けようとしたものでしょうか。
神宮恒例の花火は「Sing Out!」の一番盛り上がったところで打ち上げられました。主力3人卒業のあおりを食って前作より売り上げを下げてしまい、そのせいかそれほど評判の高くない曲ですが、私は乃木坂でも屈指の名曲だと思っており、今後レコ大⇒紅白の流れの中で再ブレイクすることを期待しています。
また、一番最後の「乃木坂の詩」で会場全体(ステージの真裏の席に至るまで)が紫一色に染まったのは圧巻でした。(この光景が一番見たかった。)
ちなみに桜井玲香卒業にまつわる話は初日は一切ありませんでした。
東京ドームでやればいいというものではない
雨が降ったりやんだりという状況は開演後もしばらく続き、MCにおいても誰が雨女かという定番の話題で盛り上がりを見せます。しかしライブ中盤に差し掛かったあたりで雨は完全にやみ、最後は爽やかな風を感じることができました。
都心のビル群のど真ん中でありながら一方で神宮外苑という落ち着いた雰囲気の中にある独特の立地、メンバーを直接見ることができる大きすぎでも小さすぎでもないギリギリの大きさ、屋外ライブならではの解放感とハラハラ感、そしてフィナーレで打ち上げられる花火と、こういったものが一体となって神宮球場は聖地と呼ばれるような存在になっているように感じます。これ以上会場が大きいと逆に興ざめします。東京ドームでやればいいというものではなく、こういう場所は大切にしなくてはいけません。