2020年12月19日に武道館で開催された乃木坂46アンダーライブの参加レポートです。新型コロナウィルスが蔓延する中でエンタメ界ではすっかり無観客配信ライブが主流となってしまい、客を入れたライブは夢のまた夢という状況となっています。しかし乃木坂46がついに有観客ライブを再開させました。「伝統の」アンダーライブでは中村麗乃が最も印象に残りました。
- ついに乃木坂46が有観客ライブを再開した
- 「伝統の」アンダーライブとは
- やはり混んでいた「まる彦」
- 徹底されていた感染拡大防止策
- 現地の様子
- コール禁止でも楽しめた
- アンダーライブのMVPは中村麗乃だと思う
- やはり現地で観るのは格別だった
ついに乃木坂46が有観客ライブを再開した
2020年に世界を覆ったコロナ禍の影響は乃木坂46にも及び、3月の2期生ライブに加えて5月に東京ドームで3日間開催予定だった白石麻衣の卒業ライブも中止に追い込まれた上、毎年恒例の真夏の全国ツアーも今年は開催されませんでした。
白石の卒業ライブは結局10月28日に無観客配信ライブという形で実施され、さらに12月6日には4期生ライブが同じく無観客配信で開催されました。しかしコロナの終息が全く見通せない状況では客を入れたライブなど夢のまた夢で、「世界中の隣人よ」MVのクライマックスで登場する神宮球場が紫一色に染まったような光景は当分の間は見ることができないものと諦めていました。(開始4分20秒)
そんな状況下に飛び込んできたのが「乃木坂46がついに有観客ライブを再開する」というニュースです。政府発表のガイドラインに従って収容人数を制限して開催するというもので、手始めということだと思いますが12月18日~20日に武道館でアンダーライブを開催することが発表されました。
「伝統の」アンダーライブとは
アンダーライブとは乃木坂46のシングルで表題曲の選抜から外れたアンダーメンバーによるライブで、今回は26thシングル「僕は僕を好きになる」のアンダー14人(4期生除く)によって実施されます。
神宮球場ライブに「聖地」という枕詞が付くのと同様、アンダーライブには「伝統の」という形容詞が付けられます。
2014年4月に初めて開催されたアンダーライブはあくまでも実験的なイベントでした。選抜落ちした「不人気」メンバーだけによるライブですが、露出の少ないアンダーメンバーにとっては貴重なアピールの場です。当初は会場もガラガラだったといいますが、個々の並々ならぬ熱意とこだわりの演出によって次第にファンの評価も高まり、現在ではバースデーライブ、真夏の全国ツアーとともに完全に定着したイベントとなっています。(シリーズ化して全国各地をまわっていた時期もある。)
当然ながらアンダーライブもチケットは入手困難で、しかも今回は武道館で定員の半分しか入れません。そのため当たる気は全くしませんでしたが、幸いにも2日目のチケットを入手できました。
やはり混んでいた「まる彦」
東京ミッドタウンに隣接した「まる彦」は乃木坂46ファンが何かにつけて集結する聖地のような場所になっており、特に首都圏でライブが開催される際は多くの人がここでラーメンを食べてから会場入りします。再開したライブ当日の昼食はまる彦意外考えられません。
お昼時の少し前のやや早い時間帯であったにもかかわらず、店の前で並んでいる人がいました。
店内は明らかに乃木坂ファンと思われる人で一杯でした。
明らかにそれと分かる人にはレジで店主が「これから武道館行くの?」「チケット当たってよかったね」などと声をかけていましたが、私は特に何も言われませんでした。
徹底されていた感染拡大防止策
新型コロナウィルス第3波により新規感染者数が右肩上がりという社会情勢の真っ最中に開催するライブであり、参加者の中からクラスターを発生させるわけにはいきません。今回様々な感染拡大防止策が採られており、従来のライブとはかなり違ったものとなっていました。
グッズは事前販売
通常のライブでは当日グッズ売り場に大行列ができるのですが、今回はそのような密状態を避けるためにインターネットによる事前販売が実施されていました。あらかじめクレジットカードで商品を購入し、それを会場で指定された時間に受け取るので行列も現金のやり取りもありません。
今回、武道館に隣接して新たに建設された中道場棟が受け取りの場となっていました。
ライブ参加4回目にしてついにスティックライトを購入しました。
分散入場の徹底
通常は入場に関しては一切制限がなかったのですが、入場ゲートや会場内のロビー等で密集が発生することを防止するため、今回は席によって入場する時間が指定されていました。
COCOAインストールが義務
今回のライブでは新型コロナウィルス接触確認アプリ「COCOA」をスマホにインストールしておくことが入場に際しての条件の一つとなっています。
オリジナルマスク配布
当然ながらマスク着用は絶対条件です。
入場時にオリジナルマスクが配布されましたが、ペラペラの布製で到底ウィルスを遮断できそうもありません。結局のところ自宅からしてきたマスクをそのままつけ続けました。
声援の代わりにスティックバルーン
声を出しての応援は厳禁で、その代わりとしてスティックバルーンが2本配布されました。(空気を入れた状態で席に置いてあった。)
徹底した換気で館内は極寒
「会場内は施設の空調設備を利用して常時換気を行います」とありましたが、それだけでは不十分なのか出入り口の扉が全て全開になっていました。さすがにライブ中は閉めていたもののMCコーナーになると再び開けられるため、会場内は極寒でした。
現地の様子
柔道で何度も訪れている武道館ですが、それ以外の要件で来るのは初めてです。
これまでライブでは開場時間が近づくと会場前は大変な混雑となるのですが、今回は入場する時間が指定されているため早く来すぎてもしかたなく、比較的落ち着いた雰囲気となっています。恒例となっている参加メンバーの幟がなく、何とも寂しいものがありました。
手荷物検査とチケット・身分証の確認だけであったこれまでと違い、今回の入場はいろいろ面倒そうです。
COCOAインストールの確認をしています。インストールした画面を開いて係員に提示します。
荷物検査を終え、チケットの確認を待っている状態で、ソーシャルディスタンスが徹底されています。ちなみに今回はチケットの半券は自分で切って箱に入れました。
館内はざっくりと示すと上記の通りで、斜線部分がステージとなっており、今回は見切れ席・ステージバック席はありません。私の「1階南B列8番」というのはステージ正面の1階スタンド席の前から2列目で(星マークを付けた場所)でまさに特等席といってもよい場所でした。
観客が定員の半分しか入っていないということですが、たとえ一席おきとはいえ最上段までしっかりと客が入っておりガラガラという印象はありません。オリンピック選考がかかっていない時の柔道の全日本選手権の時に似ていると思いました。
コール禁止でも楽しめた
ここでクラスターを発生させてしまえばコロナが完全に終息するまで有観客ライブはできなくなると私は思っていましたし、恐らく他の参加者も全て同じ考えだったでしょう。会場内のすべての人がマスクを着けており、また開演前に「俺の嫁!俺の嫁!〇〇さぁ~ん!」「ヤッホー!」などと絶叫する者も皆無でした。
アイドルグループのライブと言えばコールがつきものですが、コロナ禍では当然ながら厳禁です。久しぶりのライブで我慢できなくなる奴が必ず出るだろうと言われていましたが、これも全員が最後まできちんと守っていました。
コールの代わりとして配布されたスティックバルーンをゲームの「太鼓の達人」のように叩く演出も2曲あってこれはこれで楽しめましたが、モニター上の合図に合わせて叩くことに熱中しすぎると肝心のステージを見られなくなります。
余計な音がない分だけメンバーの歌声がやけによく聞こえたので、日頃コールなどしない私にとってはむしろこちらの方が良かったようです。しかし黙って聞くだけの「乃木坂の詩」は物足りないものがあり、やはりこの曲だけは一緒になって歌いたいと思いました。
アンダーライブのMVPは中村麗乃だと思う
本編に関してはアンダー曲のみ、曲ごとにセンターが入れ替わるアンダーライブならではの演出で、毎日変わるセットリストにメンバーの気合いを感じました。(日によって内容が変わることは予告されていたが、ここまで中身が変わるとは思わなかった。)
アンダーライブは全体ライブに比べると少人数であり、その分だけメンバー個々が自分をアピールできます。華やかさでは神宮球場の全体ライブの方が勝り、若さでは4期生ライブに到底かないませんが、今回のライブには時間をかけて叩き上げてきた者だけが出せる迫力がありました。
選抜メンバーから外れた「二軍」だけでこれだけのライブができるほどメンバーの層が厚いのが乃木坂46の最大の強みで、こんなことができるグループは現在他にはないでしょう。
参加メンバーの中では中村麗乃が最も印象に残りました。彼女は乃木坂工事中や乃木坂スキッツでは全くといっていいほど出番がありませんが、長身でスタイルも良く、また歌や芝居も上手いのでとにかくライブで目立ちます。(後ろの列にいた二人組も「麗乃ちゃんが優勝だったね。」という話をしていました。)
配信で観た3日目においても活躍しており、今回のアンダーライブのMVPは中村麗乃で間違いないと思います。
やはり現地で観るのは格別だった
白石麻衣の卒業ライブ、4期生ライブと配信ライブを続けて観た後だけに、パソコンの画面を通してではなく直接この目で見、この耳で聞くことができるライブの良さを改めて感じました。
「明日はアンダー曲30曲ノンストップ」とサプライズ発表があり、急遽3日目も申し込んで配信で観ました。しかし暖房の効いた自宅のパソコンで観たライブよりも、武道館のスタンド席で寒さに震えながら観たライブの方がはるかに印象深いものがあったように思います。