乃木坂46の1期生で「御三家最後の一人」松村沙友里の卒業コンサートが6月22日・23日の両日に横浜アリーナにて有観客で開催され、幸い2日目のチケットが当たったので参加してきました。笑いあり、涙あり、サプライズありのいかにも松村らしい卒コンだったと思います。
- 「御三家最後の1人」の卒業コンサート
- マルチな才能をもった松村沙友里
- 「乃木坂御三家」とは
- コロナ禍での有観客ライブ
- 館内の様子
- まっさらな状態でライブに望んだ
- 笑いあり、涙あり、サプライズありの松村らしい卒コン
「御三家最後の1人」の卒業コンサート
乃木坂46では昨年11月に白石、今年の3月に堀と長年グループを支えてきた中核メンバーの卒業が相次いでおり、4月15日には松村沙友里が卒業を発表しました。
松村は2011年8月21日のグループ結成時から活動し続けている1期生で、昨年卒業した白石麻衣と同様にこれまでの約10年間に発売されたすべてのシングルで選抜入りしています。3・4期生の台頭により最近は3列目にまわることが増えてきましたが、それでもグループの中核メンバーであることは間違いありません。
これだけのメンバーがグループを卒業するのですから当然ながら卒業コンサートが開催されます。
6月22日・23日の両日に横浜アリーナで「さゆりんご軍団ライブ」「松村沙友里卒業コンサート」の2部構成のライブが有観客で実施され、幸い2日目のチケットが当たったので参加してきました。(2日目は配信もある。)
「御三家最後の1人」の卒コンですから当たる気が全くしなかったのですが、平日の夕方開催という時間帯のおかげもあったのかもしれません。(同じく平日開催の全国ツアー東京ドーム公演も期待している。)
マルチな才能をもった松村沙友里
松村沙友里は乃木坂46の歴史の中でも屈指のマルチな才能を持ったメンバーです。
女性誌「CanCam」の専属モデルになるほどの大人っぽいルックスを持ちながら自分を「さゆりんご」と呼び、必殺技の「さゆりんごパンチ」を駆使するなどお茶目なところがあります。頭の回転が速くトーク力も抜群で、小気味いい関西弁を駆使してバラエティ番組内でバナナマンの設楽統をやり込めたこともありました。
演技力や表現力も高く評価されており、既に映画や舞台に数多くの出演歴があります。乃木坂46の冠番組内で挑戦した台本なしの即興芝居では一瞬で猟奇的な女に憑依し、その目を見開いた恐ろしい表情にスタジオ内から悲鳴が上がった場面を見たことがあります。
そんな松村だけにファンからの人気も相当なものがありました。
私は過去に一度だけ全国握手会の松村レーンに並んだことがありますが、幕張メッセを3ホールぶち抜いた広い広い会場を何往復もするほど行列が伸びており、列に加わってから握手までに約3時間かかりました。松村を語るうえでどうしても避けて通れないのが「文春砲」でしょう。グループ結成3年目の2014年に既婚男性と路上でキスをしている場面を週刊誌に撮られてしまったというもので、人気アイドルがこういうこういうことになれば謝罪くらいで済むはずがありません。「清楚」が売りのグループであっただけにネット等で相当に叩かれ、一時は歌番組に出演しても松村だけ無表情という状態が続いていました。
そこからよくぞ立ち直ったと思いますし、そういう松村をよくぞ選抜から外さず使い続けたと思います。
「乃木坂御三家」とは
松村といえば「御三家」という言葉が最初に浮かびます。
白石麻衣、橋本奈々未、松村沙友里は同学年でビジュアルに優れており、正統派美人の白石、かわいい系の松村、クールビューティー橋本と雰囲気は全然違うものの三人並ぶと何ともバランスが取れています。当時グループが売り出していたのは生駒里奈、生田絵梨花、星野みなみの年少組でしたが、むしろ2列目にいた松村らの年長組の方が注目を集めるようになり、この3人は自然発生的に「乃木坂御三家」と呼ばれるようになりました。
乃木坂46に「清楚で綺麗なお姉さん」というイメージが出来上がってきたのはこの頃ではなかったかと思います。
コロナ禍での有観客ライブ
緊急事態宣言は解除されたというものの首都圏では引き続き新型コロナウィルスの感染拡大が続いています。昨年12月の武道館アンダーライブ同様、今回も入場者数を制限するなど万全の感染対策をしたうえでの開催となりました。
グッズは当選発表時には既に売り切れていた
ライブといえば記念グッズがつきもので参加の際はいつもマフラータオルを購入していましたが、チケット当選の通知を受けた時点で特設サイトを見ると既に売り切れとなっていました。そのため今回は初めてグッズ無しのライブです。
ネットで事前に申し込んだうえで指定の時間に受け取りということであれば早く来て並ぶ必要はありません。
いつもなら巨大な生写真交換会場となっている場所も閑散としていました。あの「祭りの前」とでもいうようなワクワク感がなく少々寂しいものがあります。
それだけにさゆりんご軍団の法被を着た人が一層目立っていました。
便乗する周辺の店舗
コロナ禍で飲食店はどこも大変なことになっており、売上アップのためにはどんな些細なことでも便乗しようということなのでしょう。
周辺のお店です。
ちなみに隣接したセブンイレブンはこんな状況でした。
「これでもか」というほどの感染対策
いつもながらのいかめしい掲示物が今回もありました。
入場するまでにこれだけの段階があります。
3時40分頃より入場列をつくり始めました。
こんな場所でもソーシャルディスタンスは守られていました。
入場に際しては接触確認アプリ「COCOA」をスマホにインストールしていなければなりません。
「COCOA」を確認しています。
サーモグラフィーで検温を実施しています。
その後に金属探知機によるチェック、手荷物検査、チケットと身分証の確認、手の消毒と進みます。
トイレの前にもこのような物が置かれていました。
武道館のアンダーライブの時と同様に場内では声援禁止で、その代わりとしてスティックバルーンを叩きます。
館内の様子
正面の壁には恒例のメンバーの名前を記した幟が下げられています。前回来たときは余裕で正面から撮れたのですが、入場時のチェックがものすごいことになっていて今回は横からしか撮影できませんでした。
今回のライブは松村の他に伊藤かりん、寺田蘭世、佐々木琴子、中田花奈の5人で結成したユニットであるさゆりんご軍団ライブも兼ねています。そのため別の幟もありました。
祝花の筆頭は今回もバナナマンです。
卒コンならではのものも数多くありました。
私の「アリーナ席E20列6番」はE席の上から3列目で、D席との境から6番目の席です。
ものすごく大雑把に言うと「センター席案内図」と書かれた右側の白い四角のあたりで正面のステージはかなり近く、メンバーはほぼ肉眼で見分けることができました。
場内は例によって撮影禁止です。
まっさらな状態でライブに望んだ
私は2日目に入場したわけですが、初日のセットリスト、演出等はネットを見ればいくらでも情報を入手できますが、それでは新鮮味がありません。そのため前日は一切ネットを見ないようにして、事前情報なしのまっさらな状態でライブに望みました。
「さゆりんご軍団解散ライブ」と書かれた横断幕
会場入りすると正面のステージ上部に「さゆりんご軍団解散ライブ」と書かれた横断幕が掲げられており、どうもこれは初日には無かった演出のようです。「グループは卒業しても軍団は卒業できない」というのが掟のさゆりんご軍団だけに妙だと思いましたが、案の定ライブ終盤で「まだまだ需要があるみたいだから解散は撤回!」という予想通りの展開となりました。
「私たちの茶番にお付き合いいただきありがとうございました」と伊藤かりんがあいさつしていましたが、撤回宣言と同時に横断幕がひらひらと落下するなど、「茶番」にしては手が込んでいました。
突然流されたJA会長からのメッセージ動画では「何事か?」という表情でしたが、話題となっている「一生分のお米」60キロ米俵60俵(3.6t)プレゼントには心底驚いた表情をしており、2日目の完全なサプライズだったようです。
佐々木琴子と向井葉月は歌が上手かった
2期推しの私でも佐々木琴子のソロというのは聴いたことが無かったのですが、さゆりんご軍団は5人編成のユニットなのでライブでは当然ながらソロパートが豊富にあります。今回初めて佐々木琴子の歌声をはっきりと聞くことができ、かなり上手いと思いました。
また卒業コンサートの6番目に披露された「でこぴん」では向井葉月がセンターに入っており、こちらもソロパートがたっぷりあります。向井についてもこれまでソロで歌う場面を見たことが無かったのですが、こちらも上手いと思いました。
曲の前に流されたVTRで松村は「白石さんが卒業したら松村さん寂しくなっちゃうと思うから、私が沢山話しかけます!」と声をかけてくれた後輩メンバーがいることを明かし、「その子にでこぴんの白石ポジションに入ってもらう」と予告しました。
冒頭部分で高山、松村、樋口、秋元と続いた後に最後にふり返るのが誰か身を乗り出したらまさかの向井だった訳ですが、あらかじめ知っていたのかみんな冷静でした。(初日はここで場内がどよめいたらしい。)
センターステージに立つ新内眞衣は美しかった
私が最も印象に残っているシーンは新内眞衣と2人で「今、話したい誰かがいる」を歌った場面です。2人はプライベートで海外旅行に行くくらい仲が良く、表題曲を歌うパートナーとして新内を指名したことには松村なりの思いがあったのでしょう。
花道を歩いてくる松村をセンターステージ中央で涙をこらえて待つ新内や、歌い終わって抱き合う2人の姿は大変に美しいものがありました。この日の深夜に放送されたオールナイトニッポンにおいて新内はこの場面で「絶対に泣くな」と舞台演出から指示されていたことを明かしましたが、ダチョウ倶楽部の「絶対に押すなよ!」と同じで振りにしかならないでしょう。
新内が歌が上手いことは動画で見て知っていましたが(新内眞衣 サヨナラの意味 で検索すると出てくる)、2人で歌っているのを聞くとあらためてそう思いました。
御三家を意識した演出
特に何も説明は無かったものの、全体としては明らかに「御三家」を意識した演出となっていました。
白石・橋本・松村のユニットで発表した唯一の曲である「急斜面」を松村がステージ中央のピンクのスポットライトの中で一人で歌い、その両側を水色と緑のスポットライトが照らします。水色は白石、緑は橋本のイメージカラーで、曲の終盤には3つのライトが寄り添うように重なりあっていました。実は会場に白石も来ており、この場面では号泣したそうです。
また白石の代表曲である「シンクロニシティー」を本編の最後に、橋本の代表曲である「サヨナラの意味」をアンコールの最後に自らセンターとして披露するなど、やはりこの3人は特別な関係だったのでしょう。
数々のサプライズ
アンコール終了後に観客が一斉に「ありがとうございまっちゅん」と書かれたフライヤーを掲示してメンバーを驚かせていました。
これはファン有志が企画したもので、紙は入場時の様々なチェックが行われた列の最後に置かれていたものです。
裏面に企画の趣旨が記されており、場内のほぼ全員が協力したと思われます。
アンコールとその後のアフター配信も終了し、あとは退場するだけという場面で秋元真夏から「何か言い残すことはありますか?」と聞かれた松村は「実はあるんです。」と言って会場内をざわつかせました。
ライブの最後に着ていたドレスの胸元には数多くの飾りが縫い付けてあり、その中央に金のリンゴが1つだけ付いているというのです。このことは後日ネット配信でも伝えたようですが、当日会場にいた者だけがモニターにドアップになった実物を見ることができました。
笑いあり、涙あり、サプライズありの松村らしい卒コン
さいたまスーパーアリーナを埋め尽くした観客が終演後に誰一人立ち上がることができなかったという橋本奈々未の涙々の卒コン、メンバー全員が健気に明るく振舞った白石麻衣の卒コンと比べ、松村の卒コンは笑いあり、涙あり、サプライズありでいかにも松村らしいものだったと思います。
松村の同期には衛藤美彩もおり、2013年に成人式を迎えた1992年組は御三家と超選抜の4人という史上最強の世代です。しかし松村が卒業してしまうことでついに1人もいなくなってしまいました。